the Drop Down Sirius

日常・一次創作・二次創作ごった煮

Golden/Vol.1 side of Chiyoki


   《!》Attention《!》


 中の人はそういう意図で書いたつもりは全くありませんが、一部BLとも捉えられる表現があります。
 嫌悪感を催すおそれのある方は閲覧をご遠慮下さいますよう宜しくお願い致します。




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「そういえば、先日のアレは」

 華奢なグラスの金色のシードルを弄びながらロテュスが言う。そう強くないくせに酒が好きなこいつは、軽めの果実酒ばかりを飲む。そして大体飲みすぎて最悪吐く。

「アレ?」
「スマグの」
「ああ……えーえ、お陰さまで無事に片付きました!」
「そうか」
「やっぱフルドさんが辞めてから魔法師衆が弱体化したのは痛いのよねぇ~。……ねぇ、」
「グリシーヌはダメだ」
「…………べ、別にグリちゃんじゃなくてもさァ、誰かグリちゃんの知り合いとかでー……」
「いくらいずれティーニカ家に嫁ぐ身の上で何をしているか知っているとはいえ、グリシーヌをそちら側に関わらせることは許さない」

 シスコンめ。

「協力できるのは僕だけだ。残念ながらね」
「充分すぎるわよ。いくらうちも多少の交流があるとはいえ、庶民は庶民。貴族には特有のネットワークがある。あんたが一枚噛んでくれてるだけで昔に比べて随分と仕事がしやすくなったって、うちのばーさんも言ってたわ」


 本当は、ずっと申し訳なく思っている。
 俺に関わったばかりに、必要以上に手を汚させてしまっていることを。


「何度も言うけど、きみが気にすることじゃない。決断したのは僕だ。それに、世の中の裏側を知ることができるということと、協力することで僕が護られるという利点がある。……それで、今度は誰の情報がほしい?」

 隠したつもりの微妙な表情の差を敏感に読み取る。なかなか隠し事ができない。

「……立て続けで悪いわね。アウグスタの司教なんだけど――」


 まさか、読んで字の如く「一蓮托生」の関係になるとはな。



     ‐Golden Vo.1/side of Chiyoki‐



「さぁて……チヨ、ロティ。お前らがむやみやたらに突っ込むせいで負けたんですけどぉー」

 ギルドマスターのデレクが苦笑いしている。口元は笑っているのに目は笑っていない。
 学生限定ギルド『鋼ノ双葉』は、いずれ冒険家として食っていきたい奴や軍に入隊する為に特殊な戦闘技能を身に付けることを目的としている奴が多く所属している。というといわゆる「脳筋系」と思われがちだが、ギルド戦そのものに参加しないまでも戦術を学んだり、武器や装備品の性能・改良について考察したりと、意外にも頭脳派の人間もいたりする。

 俺は七歳のときに祖母に紹介状を持たされた親父によって強制的に入らされた。今いるメンバーの中では古参といってもいい。
 そんなだから、年上とはいえデレクが怒ったところで別に怖くも何ともないわけだが――

「…………はい。すみませんでした」

 加入したばかりのロテュスはそうはいかない。当たり前か。
 ふと、隣に並ぶロテュスを見る。


 初めて一緒にギルド戦に出たときに感じたのは、「予想していた以上に強い」ということだった。
 確かに同じ剣士のデレクと比べれば細い。しかも色白、顔立ちもいかにも「良家のお坊ちゃん」で、一見軟弱そうだ。
 が、バネが強いのか見た目よりも力があるし、速度も出る。鍛え上げられた体に見合った実力を持つデレクとは全く違うタイプだ。元々の身体的能力が高い。しかも剣の師はビガプール随一の騎士と名高いラズワルド・トルーヴェロと聞いている。天才というほどのものではないにしろ、いい具合に才能と師に恵まれたようだ。

 ただ、気になる点があるとすれば――左脇腹の、赤黒い大きな痣――いや、あれは熱傷瘢痕か。右の脛にもある。


 どう考えても剣の稽古でできる傷じゃない。


「おい、チヨ。聞いてんのか」
「ふぇい」
「ふぇい、じゃねえよこのイノシシ野郎。何が『銀の虎』だよチョーシこいてんじゃねえぞ考えなしが」
「いや、だってあそこは攻めるべき」
「指示はシハルが出すつっただろ。全くおめーは無駄に血の気が多くて困る。これが軍隊だったら軍規違反で厳罰もんだぞ阿呆。ロティおめーもだ」

 気まずそうに俯くロテュスは小さくはい、と答えた。しおらしい体を装っちゃいるが、多分こいつもデレクのことはギルドのリーダーとして認めてはいるものの「怖い」とは全然思っていないんだろう。それが証拠に、体が全然震えていない。デレクはガタイがいい。しかも全身傷だらけで、何代も受け継いできたとかいう自慢の古びたショルダーパッドと剣のせいでとても十八歳には見えない。大抵のメンバーはデレクに睨まれると青ざめるもんだが。

「……ま、ペアでパーティー組ませてたわけだし、チヨを見捨てるわけにもいかんわなぁ」
「デレク、ロテュスには甘いな」
「そりゃー貴重な剣士だもんよー。春に剣士組にごっそり卒業されちまって今俺とロティとシェンしかいねえだろ。シェンは家庭の事情で週一出れるか出られないかだし……あー、募集しねえとやべえなー火力不足過ぎるぞー…………っと、そうだ忘れるとこだったわ。おいチヨ、ロティ」
「あいよ」
「はい」
「ギルメン募集広告三百枚ずつ書くのとキスするのどっちがいい」


 は?


 俺とロテュスは、同じタイミングと同じ大きさで同じ言葉を発した。デレクはにやにやしている。

「だーからー、今回の罰ー。いちおキモい方がいいかなと思って」

 そんな配慮いらねえ。

「広告三百枚でお願いします」

 って、ロテュスお前も即答すんな!

「さっ、三百枚とか多すぎだろ半分にしろ、いや各自百、いや五十枚!」
「どーせおめーら暇だろ?」
「バっカふざけんな俺らだってレポートとかっ……な、な、ロテュス!」
「明後日提出のやつなら終わってる」

 空気読め!

「…………くそっ、こうなったら」

 俺は、ロテュスの顔を両手でがっちりホールドして強制的に唇を奪い、

「うわあああぁあぁぁああぁぁぁあっ!?」


 その次の瞬間、剣士ロテュスの右ストレートという想像だにしなかった一撃を額に食らい脳震盪を起こして倒れた。



 ロテュスはそのキスはいわゆる「初めて」だったらしく(俺は初めてじゃないし、幼い弟や妹にしたりされたりもしていたから特に抵抗はなかった。)、以来次のギルド戦まで口を利いてもらえなかった。
 今でも呪詛でもかけるかのような目で文句を言われるあたり、相当恨まれてはいるんだろうが知らん。お陰でギルドメンバー募集の広告をン百枚も書かされることはなくなったのだから逆に感謝されたっていいぐらいだ。



 ちなみに、俺の家が暗殺稼業なんかやっていて俺も実行したことがあるとロテュスに知られたのも、ロテュスの体の傷痕がロテュスの実母によるものだと俺が知ったのも、これより少し後のこと。

 うちのことがバレた件については、まぁ、特に面白くも何ともないから割愛ってことで。





     <To be continued. → Vol.2/ side of Lotus>





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 だから全然BLとかそんなんじゃないんですって。

 中高生男子のアホなお戯れです

 ロテュスにとってはこの「同性の友人にファーストキスを奪われた」という事件は軽くトラウマなようですが、千代木にとっても「ロテュスに殴られ気絶した」というのはショッキングな思い出みたいです


 ここから先はこういうのは出てきません大丈夫です






 

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中の人

HN:
半井
性別:
女性
職業:
ごはんをつくるヒキコモリ
趣味:
なんかかくこと
自己紹介:
チーズと鶏肉でホイホイ釣られるチョコミン党員しょうゆ厨
原産:駿河国
生息:伊賀国

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